ベストセラー作家を目指しているSさんに、業務連絡です。
ジャストシステム製の、Windows向け日本語ワープロソフト「一太郎2018 バージョン 28.0.2」を、小説やエッセイの原稿執筆に適した縦書きテキストエディター専用に設定する方法を解説します。目障りなユーザーインターフェース要素を、できるだけ表示しないように設定することで、文章を書くことに集中できます。
ドラフト編集モードで縦書き表示できれば、それで済みそうなものですが、あいにくドラフト編集は横書きにしか使えないようです。イメージ編集モードを使います。
見た目を次の図のようにするべく設定していきます。
ここでは、原稿1枚あたりの文字数が42文字×34行であると想定して説明します。
◆ 設定を初期状態に戻す ◆
まず、一太郎の設定をインストール直後の状態に戻す。専用ツールがあるのでそれを使う。
操作手順は次の通り(カスタマイズしていたすべての項目が出荷時の状態に戻るので注意)。
ジャストシステム製アプリケーションをすべて終了しておく。
Windowsのスタートメニューから「JustSystems ツール&ユーティリティ」アプリケーションを起動する。
「商品共通」>「環境を元に戻すツール」をクリックする。
リストから「一太郎2018」を選択して、「元に戻す」をクリックする。
一太郎を起動して設定がデフォルト状態に戻っていることを確認する。
◆ バックアップ ◆
ファイルメニューの「バックアップ」>「設定…」を選択する。
「上書保存時にバックアップファイルを作成する」のチェックを外す(拡張子 .$td のファイルが、わらわら発生するのを防げる)。
「自動バックアップを行う」のチェックを外す(自分自身でこまめに保存するほうがよいだろう)。
◆ オーダーメイド ◆
ツールメニューの「オーダーメイド…」を選択する。
かんたんオーダーの「もの書き」をクリックして、オーダーする(小説などの執筆におすすめらしいので)。
◆ 文書スタイルの調整 ◆
書式メニューの「文書スタイル…」を選択する。
「ページ/ヘッダ・フッタ」タブを選択する。
ページ番号「総ページ数を表示」にチェックを付ける(総ページ数表示が不要ならチェックしなくてもよい)。
ヘッダ・フッタ「上端」のチェックを外す(上下左右の端すべてのチェックが外れた状態にする)。
「フォント」タブを選択する。
和文フォント「游明朝」を選択する(お好みに合わせて別のフォントでもよい)。
数字フォント「和文」を選択する。
「スタイル」タブを選択する。
設定「字数・行数を優先する」を選択する。
文字組「縦組」を選択する。
用紙「A4・横方向」を選択する。
マージン(余白)上端と下端を「20mm」とする。
マージン(余白)左端と右端はそのままでよい。
字数を「42」とする。
行数を「34」とする。
※単にテキストエディターとして使いたいだけなので、字数と行数の指定だけで済ませたいところだが、用紙サイズ、フォントサイズ、マージンなどを組み合わせたバランスが実際に印刷可能な範囲におさまるように調整しなくてはならない。
「記憶」をクリックして文書スタイルのデフォルト設定とする。
「OK」をクリックして文書スタイルの設定を終了する。
※ツールパレットの「文字数パレット」で、書き上がった原稿枚数を数えたい場合は、そちらの字数・行数も設定しておくとよい。
◆ 画面表示の調整 ◆
ESCキーを押して「W・画面」>「G・画面表示」と進み「画面表示設定」のウインドウを表示する(表示メニューから「画面表示設定…」を選択するのと同じ)。
「イメージ編集」タブを選択する。
倍率「印字長」を選択する。
「共通」タブを選択する。
「タブ・スペース記号表示」にチェックを付ける。
「全画面表示」にチェックを付ける。 ※ディスプレイのサイズが小さいPCでは、加えてWindowsの設定でタスクバーを自動的に隠すように設定しておくとよいだろう。
「記憶」をクリックして画面表示設定のデフォルト設定とする。
「OK」をクリックして設定を適用する。
これで、まるでMS-DOS時代のワープロに戻ったような画面構成になる。主な操作はESCメニューとファンクションキーで行う。ESCメニューに馴染めないなら、「全画面表示」のチェックを外して通常のドロップダウンメニューを使ってもよい。
◆ 原稿の書き方 ◆
さて、設定が終わったので、原稿の書き方についても少し説明しておきましょう。
アウトプットナビの小説投稿機能で、プレーンテキスト出力する場合を考慮して文字装飾機能の利用は、ルビと傍点に絞るとよいでしょう。
どうしても縦中横が使いたいときは「全角文字に隣接する4文字以内の半角英数字は必ず縦中横にする」といった原稿全体に適用する統一ルールを決めて、書式メニュー「文字割付」>「縦中横一括設定…」を使って文書全体に対して設定します(部分ごとに個別に縦中横を設定しないこと)。
段落スタイル(見出し属性など)は使いたくなりますが、これも使わないほうが無難です。もの書きモードでは、見出しスタイルを指定した行に対しても自動で行頭に全角スペースが挿入されるなど、あきらかに段落スタイルの使用を意図していない挙動がみられます。
改ページも使わないほうがいいです。
小説やエッセイの原稿は割と書き方がフリーダムなようですから、 文書の構造を表すためのルールを自分で決めて、それに沿って書いていけばよいでしょう。
例えば、行頭の全角スペースの数(擬似的なインデント)に見出しレベルなどの意味を持たせる方法が考えられます。
- 通常の段落 = 全角1文字の字下げ(会話の括弧は除く)
- 章レベルの見出し = 全角2文字の字下げ
- 節レベルの見出し = 全角3文字の字下げ
- 項レベルの見出し = 全角4文字の字下げ
- 場面転換にはさむ記号 = 全角8文字以上の字下げ
- 引用部分のような特別な段落 = TAB(タブ)による字下げ
このようにすればプレーンテキストで出力した後の処理も容易です(最終的な出力フォーマットに変換するフィルタープログラムはウチが作りますよ)。 詳しいことはKindle本『プログラマのための小説・文芸原稿執筆技法』に書いたので、読んでみてください。
最終的に印刷まで一太郎で行う場合は、使う機能をどのように制限するかを気にする必要はありません。すべての機能が使えます。ただし、それだとジャストシステム(プロプライエタリ・フォーマットである一太郎ファイル)に囲い込まれてしまいますけどね。
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