macOSには音声合成機能が搭載されている。いつから使えるようになったのか、思い出せないくらい大昔からある機能だ。
OS X Mavericks 10.9.5までは「システムの声」のデフォルトは Alex であった。 OS X Yosemite 10.10からは Alex 君に代わって Kyoko さんがシステムの声担当になった。
Kyokoさんは英語が苦手なようなので、Yosemite以降、ターミナルからsayコマンドで英文を読み上げさせるときはAlexを使ってきた(Alexならシステム標準なので常に利用できると期待して)。
そんなある日、 macOS Ventura 13を新規インストールしてから、いつものようにAlexにしゃべらせようとすると……
% say -v Alex 'Where did Alex go?'
Voice `Alex' not found.
あれ? アレ? アレレ、アレックスがいない。どこへ行っちまったんだアレックス。
どうやら、AlexはVenturaからシステムの標準構成には含まれなくなったようだ。 どうしても使いたければ次の手順を実行しよう。
システム設定「アクセシビリティ」>「読み上げコンテンツ」を開く。
「システムの声: 声を管理…」を選択する。
追加の音声データが表示されるので「英語(アメリカ) - Alex」をダウンロードする。
これでOK。
近年、音声合成の品質は飛躍的に向上しており、今では、これって中に人間が入ってるんじゃないの? と疑いたくなるようなレベルに達している。
にもかかわらず、macOSの音声合成はたどたどしいままだ(いかにも「コンピューターな発声」)。
長年テキスト読み上げ機能を多用しているユーザを混乱させないように配慮して、あえて昔のままにしてあるのかと思っていたが、Alexをスタメンから外してしまったところを見るとそうでもないようだ。
それにしても、私が好んで使っている機能を狙い澄ましたように、次々とつぶしにかかってくるのはなぜ? > アップルちゃん。
関連記事: 「スピーチダウンローダーがシステム設定を変更しようとしています」