2023-10-27

フォルダをiCloud Driveと同期させない方法

macOSでは、iCloud Driveを使って“デスクトップ”フォルダと“書類”フォルダを同期する設定をオンにしておくと、同じApple IDでサインインしている複数のMacのそれらフォルダの中身が同一になるのでとても便利だ。

この同期機能は便利なのだが、すべてのMacで同期する必要がない、同期する意味がない、同期したくないデータもある。そんなときは、ファイルやフォルダに「nosync」という拡張子を付けるとiCloud Driveの同期対象から除外することができる(マニュアルには書かれていない裏技)。

ウチでは、デスクトップに「iCloud.nosync」というフォルダを作成して、その中に同期したくない(そのMacだけで使うファイル)を入れている。

macOS Venturaまではこの方法で、同期する/同期しないを使い分けられる幸せな生活をおくっていた。そう、Venturaまではね。

macOS Sonoma 14.0になってから、同期から外している (.nosync) フォルダの中にあるフォルダを、Finderで別の場所に移動したり削除しようとすると、

いくつかの必要な項目が見つからなかったため、操作を完了できません。 (エラーコード-43)

という、わけの分からない警告が表示されるようになった(はたして、このメッセージを読んでユーザーは何が問題なのか、どう対処すればいいのか判断できるだろうか?)。

同期から外している (.nosync) フォルダ内に配置したフォルダは、Finderでは移動も削除もできなくなる。う〜ん、すごいぞSonoma呆れ返る新機能、マヌケなUI/いただけないUX、雑な作りだ。

こっちが好んで利用している機能ばかり、ピンポイントで使いにくくするのはやめてくれんかな。 > アップルちゃん。

関連記事: 「iCloud Driveのファイルが移行アシスタントにより古いファイルで上書きされる

2023-10-25

ナチュラルなスクロールが不自然

macOS Sonoma 14.0のシステム設定「マウス」には、「ナチュラルなスクロール」という設定項目がある。

いったい何がナチュラルなのか疑問に思ったことはないだろうか。

もともと、この項目、Mac OS X Lion 10.7.5までは「スクロールまたは移動するときに、コンテンツを指を動かした方向に移動させる」というチェックボックスだった。 あまりにも長く説明的すぎる名称に嫌気が差したのかOS X Mountain Lion 10.8から「スクロールの方向: ナチュラル」に改められ、さらにmacOS Ventura 13.0で「ナチュラルなスクロール」へと生まれ変わった。

システム設定「トラックパッド」にも同様の設定項目がある。

2023-10-21

「プライバシーとセキュリティ」は開かない

macOS Ventura 13で生まれ変わったシステム設定アプリケーションは、位置情報サービスが無効な状態で、「Macを探す」の設定を変更しようとすると、珍妙な挙動を見せる。

macOS Sonoma 14.0でも相変わらずだ。再現手順は次の通り。暇な人は試してみよう。

システム設定「Apple ID」を開く。 ※位置情報サービスを事前にオフにしておくこと。

「iCloud」をクリックする。

iCloudを使用しているアプリの「すべてを表示」ボタンをクリックする。

「Macを探す」をクリックする。

位置情報サービスがオフになっているため、このMacの位置を特定することはできません。

位置情報サービスを有効にするには、“プライバシーとセキュリティ”設定を開いて ください。

という警告を含むダイアログボックスが表示される。

このダイアログには「“プライバシーとセキュリティ”を開く…」というボタンがある。 これをクリックすれば、当然、システム設定「プライバシーとセキュリティ」パネルが開くと思うのが人情というものだが……

2023-10-18

「外観」より「一般」を優先すべきでは

macOS Ventura 13では「システム環境設定」('System Preferences.app')が「システム設定」('System Settings.app')という名称に改められ、iPadOSっぽい見た目になった。

この生まれ変わったシステム設定アプリケーションを使っていて違和感を覚えるのは、起動すると常に(デフォルトで)「外観」パネルが表示される点だ。

私はmacOSをインストールした後、外観を変更することなどめったにない。

それに比べて、頻繁に利用するのは「一般」である。「一般」は下層にさらに細かい設定項目を含んでいる。より古いmacOSではトップレベルに配置されていた各種の設定が内包されているのだ。

ユーザビリティを考えれば、デフォルトでは「一般」を表示するべきではないか?

2023-10-16

Finderの消えないファイル名

さきごろ、デスクトップ版のFirefoxブラウザーに20年以上存在していたバグが23歳のプログラミング初心者によって修正されたことが話題になっていた。

修正されたのは、ウインドウのツールバーをマウスでポイントすると表示されるツールチップが表示されたまま残って消えなくなるバグらしい。

macOS Sonoma 14.0のFinderには、Firefoxとは逆にツールチップが表示されない奇妙な挙動がみられる(アップルに聞いたなら「それは仕様です」とか答えそうだけどね)。

Finderウインドウのツールバーアイコンをマウスでポイントして、しばらく待つとツールチップが表示される。左側のアイコンから順にゆっくりとマウスを移動していくと右端の 虫眼鏡の検索アイコン だけツールチップが表示されないことに気が付くはずだ。

macOS Catalina 10.15.7 以前は、「検索するには単語または語句を入力します」というツールチップがちゃんと表示されていた。

さらにFinderには、Firefoxと似たような(ツールチップではないが)残って消えなくなる系のおもしろバグもある。 再現手順は次の通り。

  1. Finderでデスクトップに新規フォルダを作成する。
  2. 新規フォルダのフォルダ名が編集できる状態で、フォルダ名のテキストにマウスポインターを置く。
  3. 右クリック(副ボタンをクリック)してコンテキストメニュー「共有…」を選択する。
  4. 共有先として「メモ」を選択する。
  5. 新規フォルダの名前がデスクトップに残ったまま消えなくなる。

2023-10-11

印刷設定で「範囲」ラジオボタンが選択できない

また、重箱の隅をつつくようなユーザーインターフェイスの話。

macOS Ventura 13 から印刷ページの設定に「選択部分」という選択肢が追加された。これは、まあ、改良といえるのだろうが、これに伴って怪現象が発生するようになった。

再現手順は次の通り。

  1. テキストエディット を開く。
  2. ファイルメニュー「新規」を選択して、新規書類を作成する。
  3. ファイルメニュー「プリント…」を選択する。
  4. 「ページ」のラジオボタングループから「範囲」ボタンをクリックする。
  5. クリックしても「範囲」はオンにならない!?

ページ数が2以上の書類であれば「範囲」ボタンを選択状態にできるのだが、単独ページの書類ではクリックしても切り替わらない。

押せるけど切り替わりませんって、壊れかけの古いカーラジオかよ。

2023-10-10

移行アシスタントで復元するとFinder検索が機能しなくなる

macOSにはSpotlightという大変便利な検索機能が搭載されている。

Finderで「検索実行時: 現在のフォルダ内を検索」するように設定していると、特定のフォルダ内をSpotlightのように検索できて、これまた便利なので多用している。

このSpotlight、というかFinderによる検索、まともに動いているうちはいいのだが……

間違いなく検索条件に該当するファイルが存在するのに、検索結果にそれらが表示されない。

同じキーワードで検索したにも関わらず、メニューバーのSpotlightだとヒットするのに、Finderウインドウの検索フィールドから検索すると該当項目なしになる。

みたいな怪現象に悩まされることがある。

どうも、macOSをクリーンインストールして移行アシスタントでデータを書き戻した場合に、このトラブルが起きるようだ。

ローカルストレージではなく、ファイルサーバー上のファイルがまともに検索できなくなる場合もある。

原因は、サーバーMacで共有フォルダを外付けのストレージに設定しているとき、macOSをアップデートすると、ファイル共有の設定が綺麗さっぱり消えてしまうという、なんじゃそりゃなバグである。当然、共有フォルダを設定し直さなければならないのだが設定し直しただけでは、クライアントMac側から共有フォルダをFinder検索するとまともに動作しない。

このバグはmacOS Big Sur 11.7.6で直っていたのに、macOS Monterey 12で再発している。 macOS Server (Server.app) を使っているのでMontereyより新しいバージョンにはできないため、macOS Ventura 13以降で修正されているかどうかは不明。

これらの問題は Spotlightの索引を作成し直す ことで解消できる。

しかし、なんで、いちいち手作業でインデックスを再構築せなアカンわけ。

2023-10-08

いまどきMacはHDD起動で使い物になるのか

(Fusion Driveを除く)ハードディスク内蔵モデルのMacは2017年あたりを最後に消滅し、2023年現在、すべてのMacの内蔵ストレージはフラッシュメモリ (SSD) のみになっている。

いまどきのMacをハードディスクドライブ (HDD) から起動するとどうなるだろうか。 macOS Sonoma 14.0 の起動にかかる時間を調べてみよう。

まず、内蔵SSDのデータ転送能力をみてみると、こんな感じ。

Sequential Read 1MiB (QD=   8) :   3412.44 MB/s [   3254.4 IOPS]
Sequential Write 1MiB (QD=   8) :   2619.14 MB/s [   2497.8 IOPS]

内蔵SSDからMacを起動してログイン完了するまでにかかる時間は約19秒。 ※パスワード入力時間は除く、以降も同様。

2023-10-07

Tokyo カッコワルイ

macOSでは、現在の位置情報に基づいて時間帯を自動的に設定しない場合、手動で都市名を指定してタイムゾーンを設定できる。

Macを購入した直後(OSをクリーンインストールした直後)のセットアップで次のような画面を見たことがあるだろう。

さて、この画面どこか違和感がないだろうか。

「Tokyo - 日本」

って、この不細工な都市名の書き表し方は何だ? なぜ「東京 - 日本」じゃないの。

調べてみたところ、日本国内の都市名が軒並みローマ字表記になっている。

それでは、試しにアップル本社のある都市「クパティーノ」を選択してみよう(アップル的には「クパチーノ」ではない)。 東京が「Tokyo」ならば、クパティーノは「Cupertino」になっていると思うだろう。

2023-10-05

“スリープ”、“再起動”、“システム終了”ボタンを表示できない

macOS Sonoma 14.0にアップグレードしたらログイン画面のデザインが変わっていた。

ちなみに、macOS Ventura 13.6まではこんな感じ。

Sonomaでは、時計の表示が大きくなっている。高齢化社会の老眼人口に配慮したのかもしれない。なんだか、Windows 11っぽくなった。iPadっぽくなったというべきか?

ユーザのアイコンが小さくなって画面下段に押し込められている。しかもリスト表示ではなく直近にログインしていたユーザしか表示されない(ユーザアイコンをポイントすると他のユーザも表示される)。

そして、My最大の変更点は、

システム終了など電源関連の操作ボタンが消えていること

だ(よく見ると、画面右上のメニューになっているのに気付く)。

2023-10-03

許可するには管理者の名前とパスワードを入力してください

数日前、Macのシステムを macOS Sonoma 14.0 にアップグレードしたのだが、なんだかヘンテコだ。

私は普段、(管理者アカウントではない)通常アカウントでログインしてMacを使っている。

起動ディスクを切り替えるため、いつものようにシステム設定「一般」>「起動ディスク」を開こうとしたところ、

起動ディスクが変更を加えようとしています。

許可するには管理者の名前とパスワードを入カしてください。

というダイアログボックスが表示される。

はて? なぜ、このタイミングで管理者パスワードが必要なの? 実際に切り替えるディスクを指定する段階なら分かるが、いま必要ないだろ。

入力が必要だというなら、ここでキャンセルすると「起動ディスク」設定になんらかの制約が加えられると考えるのがフツーだろう。ところが、キャンセルしようがパスワードを入力しようが、どっちにしても可能な操作は同じである。

じゃあ、なぜ、 管理者パスワードを聞いてくるの?

パスワードを入力する意味がまったくないじゃん。