2015-12-17

“メモ”をアップグレード

OS X のメモ(/Applications/Notes.app)は、同じApple IDのアカウントを設定しているMac間で自動的にメモした内容を同期してくれるので便利である。

Evernoteも併用していてそっちも便利なのだが、メモは標準アプリケーションなので別途インストールする手間がなく、動作が軽いのでリモートクリップボードみたいな感覚で使っている。

ウチではOSバージョンが異なる複数台のMac、iOSデバイスが混在しているので、それらの間でちょっとしたデータを素早くやりとりできて重宝しているのだ。

OS X 10.11 El Capitan ではメモが大幅に機能強化された。一部のライフハックなブログなどではEvernoteがいらなくなるほどの素晴らしさと大絶賛している記事も見受けられる。

ただし、強化された機能を使うにはメモをアップグレードするという操作が必要になる。El Capitanのメモを起動すると、まず、このアップグレード処理を行うかどうかたずねてくるのだが……

いかにもトラブルが起きそうな不安を掻き立てる赤い文字で「重要」などと書かれた文章がある。

でも、それだけ読んでもアップグレードするとどのような影響があるのか、いまひとつよく分からない(一般的なユーザーはこの説明でアップグレードした場合に何が起こるか理解できるのだろうか?)。「詳しい情報...」リンクで表示されるメモヘルプをはじめ、他のサポート文書も探して読んでみた。

どうやら、サーバー上のメモのデータをストアする方法が変更されたようだ。ということは想像できるのだが、知りたいこと(クライアントである新旧メモアプリケーションの細かい挙動について)は書かれていない。

アップルのサポートに、古いOS Xのメモとアップグレードしたメモが混在・併用する場合にどのような挙動になるのか、もっと詳しく解説した文書はないのか尋ねてみたが、今のところ存在しないようである。

既存の資料を読む限りでは、ユーザーからは同じサービスに見えるにもかかわらず、アップグレードしたら以前のクライアントとは同期できません。しかも、古いクライアントから見ると、いままであったデータまで表示されなくなります(消えて無くなる?)ってことのようだが、あんさん、それはサービスとして設計が根本的に間違ってるんじゃないかい。

とりあえず、アップグレードしたくなった場合に備えて、現在のメモデータ(100枚程度)を書き出して、元に戻せるようにしておこうと思ったのだが、メモはデータをエクスポートできない!

アップルのサポートにも確認したが、そんな機能はないそうな。バックアップするためにメモを一枚ずつコピペしてファイル化しろというのか。

それじゃあ、一旦試しにアップグレードしてみて使い勝手が悪かったら元の状態に戻せるのか?(ダウングレードできる?) と聞いてみたが、それもできないらしい。

こんな状況では私の利用環境ではアップグレードすると使い物にならないのでアップグレードするわけにはいかない。にもかかわらず、さもアップグレードするのが当然のように、メモのGUIの目立つところに「アップグレード」ボタンが表示されている。

アップグレードさせたいなら、せめて、古いバージョンのOS用にも新しいサービスと同期できるクライアントをソフトウェアアップデートで提供すべきじゃないの?

これが近年のアップルの考える最良のUI/UXなの?

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