El Capitanのプレビューがひどい

年末年始にまとめて読もうと思って電子書籍をたくさん買い込んだ。さっそくMacでPDFの雑誌から読み始めたのだが……

なんだか、とても読みづらい。表示される文字が、かなりぼやけて見える。紙に印刷されたものと比べれば液晶ディスプレイなので仕方ないところだが、許容できるレベルを超えている。脳が眼球に焦点が合っていないぞ、合焦せよ、と、ひたすら司令を発し続けるのが気になって、目と頭が痛くなってくる。読書どころではない。

OS XにはPDF書類を閲覧するために使える標準のアプリケーションとしてプレビュー(/Applications/Preview.app)が装備されている。普段からPDFを読むには、このプレビューを使っているのだが、こんなに読みにくかったっけ？

Retina Display だと幾分マシだが、それでも気になる（PDFのテキスト部分以外のUIエレメントの文字がシャキッとしているので余計に気になる）。

思い起こせば OS X Yosemite 10.10 に変えた時、少し読みにくくなったように感じた覚えがあるような。そういえば OS X El Capitan 10.11 でページ数の多いPDFの電子書籍を読もうとしたのは今回が初めてだ。OS X Mavericks 10.9 までは、こうまでひどく読みにくかった印象はない。

気になったので Mac OS X Leopard 10.5.8 〜 OS X El Capitan 10.11.2 までの各バージョンに付属するプレビューでPDFファイルの表示結果を比較してみた。サンプルとして使用したのは技術評論社の雑誌『Software Design 2016年1月号 PDF版』 p.188 である（今、読みかけて挫折したやつ）。

10.9.5付属のプレビュー バージョン 7.0(826.4) のレンダリング結果：

10.11.2付属のプレビュー バージョン 8.1(877.7) のレンダリング結果：

明らかに10.11.2付属のプレビューのほうがひどくボケている。10.10.5付属のプレビュー バージョン 8.0(859.21) は、この2つの中間くらいのピンボケ具合。10.9以前に付属しているプレビューについては、どれもパっと見で分かるような違いはなかった。

プレビューの環境設定には「テキストとアートラインを滑らかに表示」というスムージング（アンチエイリアス）の適用状態を変更できそうなオプション項目があるのだが、そこをいじっても改善されない。

同じPDF書類を、Adobe Acrobat Reader DCで表示するとボケたりしない。Acrobat Readerには表示を90°回転させるという面白い機能があるので、これと全画面表示を組み合わせると判型B5の電子書籍は MacBook Pro の13インチディスプレイ上でほぼ原寸表示となる。 Retina Display だけあって、紙に印刷された書籍と比べても遜色ない美しさである。すごいぞ、Acrobat Reader。ってか、これが普通だよね。

PDFだけでなく、EPUB形式の電子書籍も何冊か購入したのだが、iBooksで表示してみたところ、こちらも文字の輪郭がにじむようなことはない。美しく読みやすい表示である。すごいぞ、iBooks。ってか、これが普通だよね。

やっぱり、El Capitanのプレビューが普通じゃないとしか思えない。

アップルのサポートに電話で確認してみたが、そんなことで文句を言ってきたユーザーは他にはいないそうである。

誰も気にしてないのだろうか？ 私は自分が神経質で細かいことが気になって眠れない人間であることは否定しないが、これは気にしなくていい程度のレンダリング品質低下なのか？

一応、新しいプレビューの仕様なのか、はたまたウチだけで起きる怪現象なのか調べてくれるという話になったのでアップルの回答待ちである。

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2016-01-10 アップルから回答があり、エンジニアレベルでは同様の事例報告があるそうで、問題自体は認知されているようなので、そのうち治るかもしれない。

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プレビューだけでなく、Safariでもボケが発生している。→「Safariのボケ画像」

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2018-01-15 コメントで教えてもらったが、Sierraで直っていたボケは、High Sierraで再発している（10.13.2付属のプレビューでもぼやけているのを確認した）。「我々の目的は、顧客に最高の体験を提供することにある」んじゃないんですか？ アップルさん、これが最高のレンダリング品質なの？