Boot Camp アシスタント ("/Applications/Utilities/Boot Camp Assistant.app") に頼らずにMac OS X上でブータブルなWindows 10インストール用USBフラッシュドライブを作成するのは難しい。ブートストラップローダーを準備するのが面倒なためである。
これを解消する補助ツールとして applebootsect コマンドを自作した。アップル製のブートローダーをブートセクターに書き込むユーティリティである。
applebootsectコマンドのtarballを準備しておいた。例えば次のようなコマンドラインでダウンロードできる。 ※以前はディスクイメージファイルapplebootsect.dmgで配布していたが、現在はapplebootsect.tar.gzになっている。
$ curl -O https://zone0.net/jp/download/applebootsect.tar.gz
まかない飯的な手抜きプログラムなので、試したい方は自己責任でどうぞ(プログラムのバグや、操作ミスでディスクが破壊され重要なデータが消える危険性があるが、そうなっても一切補償はできない)。
OS X El Capitan 10.11.5 + Boot Camp Assistant 6.0.1 で動作を確認している。 検証はしていないが、おそらく OS X Lion 10.7.5 + Boot Camp Assistant 4.0.4 以降なら動作するはず(バージョン 4 より前のBoot Camp アシスタントには、そもそもUSBインストールディスクを作成する機能がないので対象外)。
使い方は次の通り。
$ applebootsect /dev/disk_media /dev/disk_volume
$ # disk_mediaは MBR 書き込み先デバイスであり、
$ # ディスク全体に対応するデバイスファイル名を指定する。
$ # disk_volumeは PBR 書き込み先デバイスであり、
$ # FAT32パーティションに対応するデバイスファイル名を指定する。
これだけ見て、何をするのか分かる人向けのツールである。何のことやらチンプンカンプンな人は使わないほうがいいだろう。
とは言え、これだけだと自分も使い方を忘れちゃいそうなので、applebootsectを使った Windows 10 USBインストールメディアの作成手順をメモしておく。
前提条件:
- 実行ファイルapplebootsectは /usr/local/bin/ ディレクトリーに配置され、パスが通っている。
- /dev/disk2 がUSBフラッシュドライブであるとする。
- 新規作成するWindows 10 USBインストールメディアのボリューム名は「WININSTALL」とする。
- Windows 10 ISOイメージファイル(Win10_1511_2_Japanese_x64.iso)はダウンロード済みで、ボリューム名「J_CCSA_X64FRE_JA-JP_DV5」としてマウントされているものとする。
まず、USBフラッシュドライブを MS-DOS (FAT) フォーマットで初期化し、ISOイメージに含まれるすべてのファイルをコピーする。
$ diskutil eraseDisk fat32 WININSTALL MBR disk2
$ rsync -rv /Volumes/J_CCSA_X64FRE_JA-JP_DV5/ /Volumes/WININSTALL
ここまででもUEFIモードでのインストールメディアとしては利用可能である(Startup Managerで「EFI Boot」しか表示されない状態)。
さらにBIOS(MBR)互換モードでインストールできるようにするには、ブートローダーを書き込み、起動パーティションをアクティブにする必要がある。
$ diskutil unmountDisk disk2
$ sudo applebootsect /dev/disk2 /dev/disk2s1
$ diskutil unmountDisk disk2
$ sudo fdisk -e /dev/disk2
fdisk: 1> flag 1
Partition 1 marked active.
fdisk:*1> write
Writing MBR at offset 0.
fdisk: 1> exit
$ diskutil eject disk2
出来上がり(Startup Managerに「Windows」と「EFI Boot」の両方が表示される状態。EFIファームウェアのバージョンが古いMacだとこれでも「Windows」は表示されないがブートは可能)。
この方法で「Windows 7 またはそれ以降のバージョンのインストールディスクを作成」のチェックボックスが表示されないような旧型MacでもWindowsインストール用の起動可能USBメモリーを作成できる。
Boot Camp アシスタントを使わないので、サポート外の32ビット版USBインストールメディアも作成可能である(誰も動作保証してくれんけどね)。
こんにちは。いまさらbootcamp読ませて頂きました。macminiにwin10入れようとしてますが、applebootsectコマンドを含むディスクイメージ(applebootsect.dmg)が見つからないのですが教えてください。よろしくお願いいたします。
返信削除「applebootsect ダウンロードページ」の部分をクリックしても開かないということでしょうか? 直接つぎのURLを開いてみてもらえますか。
削除https://drive.google.com/file/d/0B_26KjN2uTuyOVh4Yl95V2RITTQ/view?usp=sharing
「プレビューできません」とか表示されますが、ダウンロードをクリックすると手に入ります。
早速のご返答ありがとうございます!ダウンロード出来ました。
返信削除ターミナルの最後にプロセスが完了しました。と出てます。これに書き込むのではないのですね。頑張って挑戦します。