FaceTime はアップル純正のビデオ通話(ビデオ電話)アプリケーションである。
Mac版では OS X Mavericks 10.9.2 からFaceTimeオーディオにも対応し、音声通話のみの利用も可能になった。にも関わらず、MavericksのFaceTimeは音声しか使わない(ビデオ通話を使いたくない)場合もビデオカメラを必要とするという、わけのわからない作りであった。
電話で文句言ったのが聞き入れられたのか OS X Yosemite ではようやく使いモノになるように改善され、ビデオカメラを接続していないMacでも音声通話だけを利用できるようになった。
ウチではFaceTime以前からSkypeなど他社製のインターネット電話アプリケーションやSIPクライアントをインストールしており、通話にはもっぱらUSB接続のヘッドセットを使っている。
ヘッドセットを使って電話を架けるような使い方だと、着信音(呼び出し音)は内蔵スピーカーから、通話の音声はヘッドセットから、と別々に出力したくなる。
Skypeなどの製品には、そのための設定項目がある。
Skypeの設定例:
FaceTimeにも同様の機能があるかと探したが OS X El Capitan 10.11.6 付属のFaceTimeには、そのような設定は見当たらない。
アップルのサポートに電話して、FaceTimeで着信音と通話音声を別々のデバイスに振り分けて出力する設定はありますか? と聞いてみたところ、
残念ながらありません。
との答えであった。
のだが、いろいろと調べているうちに、これが可能であることに気が付いた。 FaceTime 3.0 (2701) では、
- 着信音は「システム環境設定」の「サウンドを出力する装置を選択:」で選択されたデバイスで再生される。
- 通話音声はアプリケーションのメニュー「ビデオ」>「出力」で指定したデバイスに出力される。
したがって、この2つの設定を別々のサウンド出力装置にすれば、使い分けができるのだ。
ヘルプやサポート文書には書かれておらず、仕様として明文化されてはいないので、たまたまそのように動作するだけかもしれないが、目的を達することができた。
めでたしめでたし、と、いきたいところだが、ここでまた、奇妙な現象を発見した。
OS X El Capitan 10.11.6 での再現方法は次の通り。
サウンドを出力する装置として、「内蔵スピーカー」と「USBヘッドセット」(ここでの画面上の表示名はAudio_Technica)の2つがあるものとする。
- システム環境設定のサウンド出力を「内蔵スピーカー」に設定する。
- システム環境設定のサウンド入力を「内蔵マイク」(あるいは「ライン入力」)に設定する。
- FaceTimeを起動する。
- デフォルトでは「ビデオ」>「出力: 内蔵スピーカー」になっていることを確認する。
- 「ビデオ」>「出力: Audio_Technica」を選択する(出力先の切り替え)。
- FaceTimeを終了する。
- 再度FaceTimeを起動する。
- 当然「ビデオ」>「出力: Audio_Technica」にチェックが入っているはずだが、なぜかそうはならない。「出力: 内蔵スピーカー」のままである。
この状態で、メニューの表示上は内蔵スピーカーが選択されているにもかかわらず、通話音声が出力されるのはUSBヘッドセットからである(メニューの表示と実際の出力デバイスが一致していない)。かと思えば、いつの間にか内蔵スピーカーに戻ってたりする。再起動したら戻るのか? サウンドデバイス(ハードウェア)の構成を変更したせい? 謎だ。
もう一度、サポートに電話して、これっておかしくない? こんなことが起きるのウチだけ? と相談したところ、エンジニアに調べさせるからしばらく待ってね、ということになった。
2016-08-01 アップルから回答があり、不具合として認知してもらえたようなので、修正されるのを楽しみに待つことにする。
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