OS X El Capitan 10.11.6 において、デフォルトメールソフトを変更するには、OS付属のメール (/Applications/Mail.app) の環境設定を使う。アップルの公式サポート文書にも書かれている規定の手順だ。
- メールを起動します (「/アプリケーション/メール」)。
- 「メール」メニューから「環境設定」を選択します。
- 「一般」ボタンをクリックします。
- 「デフォルトメールソフト」ポップアップメニューで、デフォルトで使うメールアプリケーションを選択します。
──アップルのサポート情報「Mac OS X:デフォルトのメールアプリケーションと Web ブラウザの変更方法」から引用。
では、さっそく、この方法でデフォルトメールソフトを Microsoft Outlook に切り替えてみよう。と思ったのだが……
「環境設定」が選択できない!?
困ったことに、純正のメールアプリケーションに、メールアカウントを1つも登録していない状態(初回起動時など)では、「メール」>「環境設定...」メニューを選ぶことはできないのである(選択不可なので表示が薄くなっている)。
メールアカウントを設定し終わるまでは、モーダルなシートが表示されており、設定はできない。
アップルのサポートに電話して、デフォルトメールソフトを切り替えたいのだがメールの「環境設定...」が選べない、このシートを回避する方法、あるいは別の切り替え方法はないのか? と聞いてみたところ、
その手順は、とばせないので無効なアカウント情報でもいいので入力してください。別の切り替え方法はありません。
という回答であった。
つまり「その他のメールアカウント...」を選んで、名前、メールアドレス、パスワード、受信用メールサーバ、送信用メールサーバといった項目すべてに、とにかくデタラメな情報(例えばアルファベット1文字 a とか)でもいいので入力して、エラーっぽい表示が出ても気にせずに、次へ次へと進んでいくと、処理を完了できる。というのである。
なんじゃそりゃ〜
別の切り替え方法がないというのは、システム標準の方法は存在しないという意味であり、他社メーラーである Mozilla Thunderbird 45.2.0 なんかは自力で切り替え可能である。が、あいにく Microsoft Outlook 15.23 にはそんな機能はないので Apple Mail に頼るしかない。
ちなみに Thunderbird や Outlook は、メールアカウントをまったく登録していない状態でも、アプリケーションの「環境設定」は可能である。それが普通だよね。
これが逆に他社メールソフトではアカウント情報入力必須というなら話は分かる。わざわざ、ユーザーは別のメールソフトを使おうとしているんだから、この場合、入力しないほうがおかしいだろう。
デフォルトの電子メールクライアントを切り替えたいだけなのに、使いもしない純正メーラーにいちいち無効なメールアカウントを登録しなくてはならない。そんな不毛な作業を強いるのがアップルの考える優れたユーザー体験なのか?
このメールの奇妙なUIについて、本日只今、初めて気が付いたように話したが、実のところ、これは今に始まった事ではなく、かなり大昔からこうなのだ。長年そのまま放置してあるということは、誰も変だと思っていないってこと?
奇妙さ具合をさらに際立たせるのが OS X Yosemite から変更されたデフォルト Web ブラウザを切り替える方法だ。以前はSafari(アプリケーション側)の環境設定にあった項目がなくなって、システム環境設定の「一般」に含まれるようになったのである。
デフォルト Web ブラウザを変更する設定をアプリケーション側からシステム側に移動してもいいんなら、デフォルトメールソフトの変更設定もシステム側に持っていけばいいじゃん。なのにメールはそのまま。なんという一貫性に欠ける変更であろう。
アップルさん、このあたり、もそっと、わかりやすく使いやすいように改良してくれませんか。
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