2020-01-27

HP ProBook 430 G5 Windows システム修復

過日、三菱電機がサイバー攻撃を受け、企業秘密が外部に流出した可能性があるというニュースが世間を賑わしていた。

報道番組のコメンテーターだかコメディアンだかいう連中が「東京オリンピック開催にあたって、我が国もサイバー攻撃への備えを強化していかなくてはなりません」みたいな箸にも棒にも掛からない論説を、いまさら、したり顔で展開している。

公権力が、無限アラートを表示するイタズラJavaScriptをWebサイトに仕掛けた中学生を捕まえて悦に入っているような国のサイバー攻撃耐性など推して知るべしであろう。

よし、私が素晴らしいサイバー攻撃防御策を提案しよう。 防衛や電力、鉄道などの社会インフラに関する情報については、電磁的な記録を禁止し、 手書きの書類に押印を義務付ける かたちにすればよいのだ。

これが歴史と伝統が何より大切な美しい国の鉄壁のサイバーセキュリティだ! はんこ文化を守る科学技術・IT担当大臣も大喜びだろう。

それはさておき、去年の早春に購入したウチのノートパソコン HP ProBook 430 G5 もサイバー攻撃をうけているのか、購入直後から死の青画面 (Blue Screen of Death) が頻発するので困っていた。一週間に一度、短い時は三日にあげずブルースクリーンが出る。

調子が悪いパソコンを、快適な状態に戻すには、システムソフトウェアを入れ直せばよい(ハードウェア的に壊れていないなら)と分かってはいるものの、なかなかまとまった時間が取れず、そのまま騙しだまし使い続けていたが、ようやく年末にきて再インストール作業に取り掛かることができた。

(ユーザーデータを失わないように保ったまま、元に戻す前提で)Windowsのシステムを入れ直すのは久しぶりだ。何年ぶりかな、ひょっとしてWindows 7 以来ではなかろうか? Macなら簡単だが、Windows PCではどのようにするのがよいだろう。調べてみた。

Macの場合は、おおまかにいうと次のような手順でシステムを修復できる。 PCを買い替えたとき、古いPCのデータを新しいPCに移し替える作業手順も似たようなものである(PC間のデータ引越し)。

  1. 外部ストレージに内蔵ストレージのバックアップを作成する。
  2. 内蔵ストレージを初期化する(ハードウェアを検査して問題があれば修理に出す)。
  3. macOS をクリーンインストールする。
  4. バックアップからユーザーデータ/アカウント情報のみを復元する。
  5. サードパーティー製デバイスドライバーをインストールする。
  6. 業務に必要なアプリケーションをインストールする。

Windows PCの場合は少し手順が異なっていて、次のようになる。

  1. 外部ストレージに内蔵ストレージのバックアップ(システムイメージ)を作成する。
  2. 内蔵ストレージを初期化する(ハードウェアを検査して問題があれば修理に出す)。
  3. バックアップからシステムイメージ(ユーザーデータ/アカウント情報を含む)を復元する。
  4. 素の Windows を上書きインストールする。
  5. サードパーティー製デバイスドライバーをインストールする。
  6. 業務に必要なアプリケーションをインストールする。

これだけ見るとMacでもWindows PCでも大して変わりないようだが、このやり方でよいと判明するまでに(Windows初心者なので)けっこう手間暇がかかった。

マイクロソフトが用意している標準のWindowsのバックアップ方法や再インストール方法は混沌としていて、非常に分かりにくい。そのためか、サードパーティー製の多種多様なバックアップツール、データ移行ツールが販売されている。

Windowsに少し詳しい人なら、そんなの「クリーン インストールで新たに開始」すればいいだけじゃんと言うかもしれないが、それでは内蔵ストレージの初期化(書き込み検査、ハードウェア的に壊れていた場合のパーツ交換)ができない。

「ファイル履歴」では複数のユーザーアカウントのデータを一度に復元できないし、設定やアカウント情報そのものも保持できない(ファイル名の制限などでまともに動かないことすらあるので、まったく当てにならない)。

Windows 7時代によく使われていた「Windows 転送ツール」 (migwiz.exe) は、Windows 8.1で機能が縮小され、Windows 10では使えない。どうやらマイクロソフトとしては、バックアップに「OneDrive」を使わせたいらしい(陰謀の匂いがする)。 ま、どのみち OneDrive もファイル履歴も、今回やりたいことには向いていない。

macOSでの「Time Machine」と「移行アシスタント」を使ったユーザーデータ移行に近い方法を、Windowsで再現するには「バックアップと復元 (Windows 7)」機能を利用する。

それでは、ここから、HP ProBook 430 G5 で実際に試してみたシステム修復の過程をメモしておく。

まずは、MicrosoftのWebサイトから最新のWindows ISOイメージをダウンロードして、Windowsインストールメディア(USBフラッシュドライブ)を作成する。

外部ハードディスクにシステムイメージのバックアップを作成する。 Windows 設定「更新とセキュリティ」>「バックアップ」を開く。 「[バックアップと復元] に移動 (Windows 7)」をクリックする。 「システム イメージの作成」をクリックする。

バックアップが終わったところで HP PC Hardware Diagnostics を実行してハードウェアに問題がないか検査してみたが、特に異常はない。

chkdskコマンドを実行した後にもう一度バックアップを作成しておく。

> chkdsk C: /R

バックアップが終わったら検査を続ける。かなり長い時間、繰り返しメモリ (RAM) の試験を行なったが、エラーは発生しない。

内蔵ハードディスクドライブに対して全域書き込み/読み出し試験を行なったが、エラーは発生しない。

エンドユーザーレベルの診断ツールで検出できる問題は見つからない。ここで問題があれば、メーカーに修理を依頼するところだが、ハードウェアの問題ではなさそうだ。

Windowsインストールメディア(USBフラッシュドライブ)からPCを起動する。

Windows セットアップ「コンピューターを修復する」をクリックする。

オプションの選択「トラブルシューティング」>「コマンド プロンプト」と進む。

内蔵ハードディスクをフォーマット(初期化)する。

> diskpart
DISKPART> list disk
DISKPART> select disk 0
DISKPART> clean all
DISKPART> exit
> exit

詳細オプション「イメージでシステムを回復」を選択する。

先にバックアップしておいたシステムイメージを内蔵ハードディスクに復元する。

内蔵ハードディスクからPCを起動する。

エクスプローラーで、Windowsインストールメディア内の setup.exe をダブルクリックして起動する。

「個人用ファイルのみを引き継ぐ」設定を選んで、Windowsをインストールする(アプリケーションやシステムワイドな設定は破棄してのWindowsに戻す)。インストールするタイミングによって「何もしない」しか選択できない場合は、あきらめてWindows セキュリティの「新たに開始」機能を使う。

HPのサポートサイトから、この機種に適合する最新のデバイスドライバーを検索してダウンロード/インストールする。 HPのPCはモデルによっては同一の型番でもハードウェア構成にバリエーション(オプショナルなデバイスの有無とか)があるので、自分の所有している製品には不要なドライバーまでリストアップされてしまうところが紛らわしい。必要最小限のドライバーのみ選ぶ。

その他、自分の業務に必要なソフトウェアを追加インストールする。

以上、終了。修復後、1ヶ月ほど経過したが一度も青画面は出ていない。 めでたし、めでたし。

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