Raspberry Piのケースはさまざまなメーカーから発売されているが、オフィシャルとか純正という言葉に弱いので、ラズベリーパイ財団が提供している公式のケースを使っている。手ごろな価格で、デザインも悪くない(Raspberry Pi 1 Model B+、Raspberry Pi 2 Model B、Raspberry Pi 3 Model BおよびRaspberry Pi 3 Model B+には同じケースが使えるが、Raspberry Pi 4 Model Bはケースの形状が異なる)。
でも、このケース、割と密閉されているので熱がこもってしまうのだ。
高熱を発することで有名な Raspberry Pi 4 Model B と Raspberry Pi 3 Model B+ で平熱(アイドル時のCPU温度)を計ってみた。
$ vcgencmd measure_temp
基板むき出し裸の状態:
- RasPi 4B = 38.0 〜 40.0 ℃
- RasPi 3B+ = 38.1 〜 40.2 ℃
公式ケースに入れ蓋を開けた状態:
- RasPi 4B = 50.0 〜 51.0 ℃
- RasPi 3B+ = 49.4 〜 49.9 ℃
公式ケースに入れ蓋を閉じた状態:
- RasPi 4B = 56.0 〜 58.0 ℃
- RasPi 3B+ = 53.7 〜 54.2 ℃
ここで、ちょいとCPUに負荷をかけてみる。
$ yes > /dev/null & #を4並列実行
- RasPi 4B = 82.0 〜 84.0 ℃
- RasPi 3B+ = 80.6 〜 82.2 ℃
あれよあれよという間に、80度を超えてしまった(デフォルト設定ではサーマルスロットリングにより85度を超えないようにクロックを低下させるらしい)。やはりRasPi 4やRasPi 3の性能を活かすためには自然空冷では無理があるようだ。
ちゃんと公式の強制空冷用ファンも用意されている。 Raspberry Pi PoE HAT である。
もっとも、この製品、名前の通り、本来の用途は Power over Ethernet を実現することであって、単なる冷却ファンではない。ファンが欲しいだけなら高い買い物だ。でも、公式なので買っちゃう。
Raspberry Pi PoE HATを取り付けてCPU温度を計ってみよう。
基板むき出しでPoE HATを取り付けた状態:
- RasPi 4B = 44.0 〜 47.0 ℃
- RasPi 3B+ = 49.9 〜 50.5 ℃
PoE HATを取り付けると、負荷をかけた状態でも温度の上昇を抑えられるのが分かる。
しか〜し、PoE HATのスペーサーをきっちりネジどめしてしまうと、ケースには入らない。困ったもんである。裸の状態でファンを付けて使えということだな。
そもそも、仕事で使うぶん(センサーからデータを集めて、ネットワークに送り出すような用途や、ちょっとした制御)には Raspberry Pi 1 Model B+ くらいの性能で充分なんだが……
Raspberry Pi 1 Model B+ ならファンレスでもイケるし(ヒートシンクもファンもなしでケースに入れて負荷をかけても50度くらい。 Raspberry Pi 2 Model B でも80度を超えることはなく、高温になっても70度台である)。
どんどん高性能化してデスクトップPCに近づいていくラズパイちゃん。「AIでエッジコンピューティング」みたいな時代の要請なのか? 自分にとってはコレジャナイロボ感が高まるばかり。期待している進化の方向はそっちじゃない。
性能はそこそこで、あまり発熱しない Raspberry Pi 1 Model B+ の供給もやめないでくださいね。
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