2014-01-18

Qt4.8.5インストールメモ

1年半くらい前に作成したQtアプリケーションのサポート依頼があった。Qt 4.8を使って開発したものである。保守費用が潤沢に用意されているような仕事なら、新しいバージョンのQt 5.2にあわせて書き直すのが順当だが、そうもいかない。

というわけで、古いバージョンのQt(4.8.5)開発環境をMac上に再現したので、その手順をメモする。

特に難しいことはなく、次のものを順にインストールすればいいだけである。

  1. Mac OS X Lion 10.7
  2. Xcode 4.2.1
  3. Qt Library 4.8.5
  4. Qt Creator 2.8.1

古いMac OS Xと、古いXcodeは有料のMac Developer Programに加入していれば、Appleのデベロッパーサイトから入手できる。 古いQt Libraryと、古いQt CreatorはQt Downloadsからダウンロードできる。

Lionのインストール

Xcode 4.2.1はMac OS X Lion向けである。いまどきのMacにはMac OS X Lion 10.7なんてインストールできないだろうから仮想マシンにインストールするといいだろう。

Xcodeのインストール

Qt 4.8.5のツールやドキュメントの標準的なインストール場所は /Developer/ ディレクトリー内である。これはQt 4.8が、Xcode 4.2.x以前の開発ツールに合わせて作られているからである。Xcode 4.3以降はインストール位置が異なるので4.2.1を使う。

デベロッパーサイトからXcode 4.2.1 for Lionをダウンロードする。ダウンロードしたディスクイメージを開くと、インストーラーパッケージが入っているのでダブルクリックしてインストールすると /Applications/ ディレクトリー内に Install Xcode.app が配置される。Install Xcode.appを起動してXcodeをインストールする。

Qt Libraryのインストール

Qt Downloadsサイトから、Qt Library 4.8.5バイナリーパッケージをダウンロードしてインストールする。インストール後、試しにQt Library付属のサンプルコードのどれかをビルドして動作確認してみる。

サンプルの1つであるdigitalclockを例にとると、

$ cp -R /Developer/Examples/Qt/widgets/digitalclock ~/Desktop/
$ cd ~/Desktop/digitalclock
$ rm -R digitalclock.xcodeproj
$ qmake
$ open digitalclock.xcodeproj

のようにして、Xcodeで正常にビルド/実行できるか試す(qmakeでXcodeプロジェクトを作り直してから開く)。

Qt Creatorのインストール

Qtアプリケーションの開発には普通XcodeじゃなくてQt Creatorを使うと思うので、Qt Downloadsサイトから、Qt Creator 2.8.1(Qt 4.8系をサポートする別のバージョンでもよい)のディスクイメージをダウンロードしてインストールする。

で、手間をかけて昔の開発環境を再構築したのだが、結局、ソースコードを修正する必要はなかったというオチ。

Windowsで古いQtの環境を構築する方法は「Qt4.8.4インストールメモ」を参照のこと。


Qt 4.8系の最終バージョンである Qt 4.8.7 環境を構築する方法については「Qt4.8.7インストールメモ」を参照。

2 件のコメント:

  1. Mac OS X Snow Leopard 10.6.8 + Xcode 3.2.6 + Qt Library 4.8.6 + Qt Creator 3.1.1 といった組み合わせも可能。

    ただし、ダウンロードサイトで配布されているQt Library 4.8.xのインストーラーに含まれるバイナリーは64ビット用なので注意、32ビットMacでは動かない。自分でソースからビルドすれば32ビットでも使えそうだが、そんな根性は……

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  2. 試しに、古いIntel Core SoloのMac miniでQt Library 4.8.6をビルドしてみたら6時間以上かかった。 Mac OS X 10.6.8 + Xcode 3.2.2 + Qt Library 4.8.6 + Qt Creator 2.5.2 の組み合わせで32ビットでも使えることを確認。

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