Macにはチェス (/Applications/Chess.app) が付属している。 チェスはNeXT時代から続く由緒正しいゲームアプリケーションだ。 macOS Sierra にも標準搭載されている。
先日、macOS Sierra 10.12.4をクリーンインストールして動作を確認していたときのこと、チェスを起動すると、枠だけしかなくて中身なしの、のっぺらぼうなウインドウが表示され、操作を受け付けなくなってしまうことに気がついた。
こうなるとウインドウを閉じることも、アプリケーションを終了することもできない。
アプリケーションを強制終了するしか道はない。
なんともお粗末なUI/UXである。アップル製品とは思えない。
この現象は、インターネットアカウントにGame Centerアカウントが追加されている(iCloudにサインインすると知らないうちに追加される)にもかかわらず、そのGame Centerアカウントが有効な設定になっていない状態で、チェスを起動した場合に起きる。
回避するには、システム環境設定の「インターネットアカウント」を開いてGame Centerアカウントを削除し、チェスを起動した際に表示されるGame Centerへのサインインを促すダイアログで「キャンセル」ボタンをクリックしなくてはならない(あるいはGame Centerアカウントを有効に設定する)。
El CapitanのチェスでもGame Centerへの登録を促すダイアログは表示されていたが、Sierraではさらにひどいユーザーインターフェイスになっている。Game Centerを利用するかしないかを選択する設定がなく、アカウントが有効でない場合、毎回々々、Apple IDを入力するウインドウが表示される。
こうまでしてGame Centerの利用を勧める割には、macOS Sierra 10.12とiOS 10からはGame Centerアプリが削除されているのが摩訶不思議。ユーザーにGame Centerを使えと言いながら、アップル自身がGame Centerを見限るような行動をとっているのだ。
もう少し整合性と一貫性のある製品づくり(ソフトウェアづくり)をしてはどうですか。アップルさん。
まあ、チェスなんて滅多に使わないから誰も困ってないんだろうけど、起動直後にハングアップしたり、クラッシュする品質の製品を出荷するのはやめようよ。
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