2020-12-07

Mac App Store やらずぶったくり

Mac OS X Lion 10.7 と OS X Mountain Lion 10.8 を新規購入した。 なんと、オンラインのApple Storeでまだ販売されている(2020年12月時点)。

この記事を書いている時点の最新 macOS Big Sur に対応した仮想化ソフト Parallels Desktop 16 を買ったので、これを機会に仮想マシンにインストールする古いOSをそろえておこうという算段である。

注文して何日かすると、コンテンツコード(引き換えコード)がメールで送られてくるので、そいつをMac App Storeに入力するとOSインストールアプリケーションが入手できる仕組みになっている。 さっそく redemption code を入力すると、

コードが適用されました。

Appがダウンロードされます。

と、表示され購入完了。

ウチはインターネット接続が細いのでダウンロードに時間がかかるのは毎度のこと。ほっとけば終わるだろう。と、そのまま放置して寝て…… 翌朝、起きて確認してみると、どこにもダウンロードされた形跡はない。

わけがわからない。アップルのサポートに電話して聞いてみたところ「 ダウンロードされます と明示されているにも関わらず ダウンロードされないのは仕様 」じゃそうな。 どういう仕様なのかユーザーが確認できるドキュメントは存在しないが、とにかく仕様だとアップルのエンジニアがいっている。

金払ってんのに商品を引き渡さないのをフツー日本語では「仕様」じゃなくて「やらずぶったくり」という。 美しい国のサラブレッド政治家が得意とする「募ってはいるが募集はしてない」話法だろうか、コンテンツコードは「Mac App Storeで使えるとは言ったが、製品がダウンロードできるとは言っていない」ってか。

「Appがダウンロードされます。」て、ゆうてはりますけど。

関連記事:「それは仕様です

特に注意書きはないが、欲しいバージョンのOSを実際に動作させることが可能なモデルを使わないと、インストーラーは入手できないのである。そのOSがインストール可能な機種でなければ、Mac App Storeアプリからのダウンロードすらできない。

ひょっとして、新規購入ならいけるのではないかと思って試してみたのだが残念な結果に終わってしまった。

今回のケースでは Lion や Mountain Lion の動作条件に適合するMac上で稼働するApp Storeアプリを使えばダウンロードできる。

Mac App Storeアプリケーションを設計した技術者は、古い macOS (OS X, Mac OS X) のインストールアプリケーションを欲しがるようなユーザーの行動パターンというものがまるで分かっていないヨーダ。

「新しいMac上で仮想マシンにmacOSをインストールするためにインストーラーのイメージが欲しい」とか「古いMacにOSをクリーンインストールするために、別の新しいMacを使って起動可能なインストールメディアを作成したい」というユーザーにしてみれば不便なこと極まりない。

ダウンロードしたMac自体では動作しないバージョンのインストールアプリケーションでも、インストールメディアの作成は可能なので、そのMac自身にインストールできなくてもダウンロードだけできればよい。そういうユーザーを無視している。

そもそも、購入済み製品がなんの断りもなく消えてしまうアプリストアってどうなの(macOS Mojave 10.14のApp StoreからmacOSインストーラー製品は表示されなくなった)。 ストアの購入履歴に Sierra が現れなくなった(配布方法が変わった)ときにも苦情を言ったのに。さらに状況は悪くなっている。 これがアップルの考える最高のユーザーエクスペリエンスなの?

Mac App Storeが生まれ変わり、新しいデザインとわくわくするような新しいエディトリアルコンテンツを利用できるようになりました。

——macOS Mojaveが登場したときの謳い文句より

ディスクユーティリティといい、Mac App Storeといい、アップルのアプリケーションは生まれ変わるとロクなものにならないの法則が確立されたようだ。


さんざっぱら文句を言った改善を提案した効果があったのか、2021-06-23よりLionとMountain Lionはアップルのサポートサイトから無償で配布されるようになった。古いMac(実機)を所有していなくてもダウンロード可能である。

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