先般、NECから「複数の Aterm 製品における脆弱性」 https://jpn.nec.com/security-info/secinfo/nv21-008.html の発表があった。
ウチでもNECのブランドにつられて、Aterm製品をいままでに何度か購入している。 手元に、不具合のある機種に該当する Aterm WG1200HS を発見したので、ファームウェアをアップデートすべく、サポートサイトを開いてみると……
そこで我々が目にしたのは、Aterm WG1200HS用については、
「修正ファームウェアを提供する気はありませ〜ん」
という、つれないお言葉でありました。
同サイトの情報「Atermの修理期間について」 https://www.aterm.jp/support/inquiry/hoshu_list.html によると、この記事を書いている時点では修理受付可能となっている。
自分もプログラマーなので、脆弱性の修正にもコストがかかるのは分かる。永久に無料で面倒見ろとかいう気はない。でも、せめて修理受付可能な期間くらいは、セキュリティーアップデートを提供してほしいものだ。過剰な要求だろうか。
この古いルーターAterm WG1200HS、今回の脆弱性とは無関係に、以前からなんだか挙動不審なため常用環境からは外していたので、どうでもいいといえばどうでもいい。
知人がTwitterで、比較的あたらしい製品 Aterm WX3000HP をクソ(あら、お下品)と罵っているの目にしたこともあるな。
天下のNECブランドなので、その信頼性に期待していたのだが、そんなものはいまや幻想となったか。
NECプラットフォームズ株式会社になってからアカンのか? 以前、別のAterm製品でサポートに問い合わせたときも、いかにもコスト削減テンプレ回答臭が漂っていたし。
トラブルなく動作しメンテナンス不要で長寿命、なんて、言う事無しの製品が作り出せるメーカーはそうそうあるまい。そこは、その、なんだ、買ってくれた人が困ったときどうフォローしていくかが大事なんじゃないの。
そういえば数年前に「Windows 3.1の時代に作られた少し特殊な用途の作図用のソフトウェアを新しいPCで使いたいのでなんとかできないか」と相談されたことがあった。
Windows 10になろうかという時代にWindows 3.1用アプリである!
このお客さん、ハードウェアが老朽化したので買い替えたはいいが、新しいシステムに付属しているソフトの使い勝手が悪すぎて仕事にならない。昔のソフトのデータも読み込めないので一から描き直しになってしまい不便で仕方ないと嘆いていた。
古いシステムはハードとソフト一式で、当時、一千万円近い値段だったし、長く使っているので、過去のデータを捨ててしまうのももったいない。せめて新しいシステムで使えるようにデータの変換だけでもできないものか。というのだ。
新しいシステムを納入した販売会社には「そんな古いソフトを使うのは無理です」と言われたらしい。
まあ、普通に考えたらパラレルポートを使ったドングルでコピープロテクトされているようなWindows 3.1用のソフトが、いまどきのWindows 10 PCで動くわけがない。販売店が不可能というのはごもっともである。
ごもっともだが、こういう話を聞くとウズウズするので「調査費を払ってもらえるなら、動かせるかどうか調べみますがどうですか?」と提案して、ゴーサインがでたので、調子に乗って使えるようにしてしまった。
いまだに支障なく動作しているそうである。25年以上も、そのまま仕事に使えているアプリケーションソフトというのも素晴らしい。
ソフトウェア製作者として見習いたいものである。いや、ついつい職人プログラマー気質で長く使ってもらえる良いものを作ろうとか考えちゃうが、それではいかん。 すぐに陳腐化する製品を、つぎつぎと買い替えさせて売り上げアップを狙わないと金持ちになれない。
優良企業は、既存製品の脆弱性を塞いでいる暇があったら、誰が欲しがってるの?な機能をてんこ盛りにした目新しい商品を市場に送り出さないとね。
手持ちの古いバッファロー製ルーター(WG1200HSの5年前に発売された製品)にも最近、脆弱性が見つかったが、そちらはファームウェアアップデートが提供されている。
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