2023-07-18

妙ちきりんなFinderのタグ

macOSのFinderでは、ファイルやフォルダにタグを付けることができる。項目を分類するための目印をつけられて便利だ。

しかし、この「タグ」機能には挙動不審なところがある。 macOS Ventura 13.4.1 で、タグのへなちょこ具合を体験してみよう。

どこかテキトーなところに新規フォルダを作成する。

新規作成したフォルダを開く。

開いたフォルダ内に、さらに新規フォルダを作成する(フォルダではなく、なんらかのファイルを作成してもよい)。

名前は「名称未設定」のままでいいので、その新規フォルダを複製する。「名称未設定フォルダのコピー」ができる。

もう一度、「名称未設定」フォルダを複製する。「名称未設定フォルダのコピー2」ができる。

その調子で「名称未設定フォルダのコピー10」ができるまで複製を続ける。

「名称未設定フォルダのコピー10」をロックする(ショートカットメニュー「情報を見る」を使えばよい)。

「名称未設定」フォルダとそのコピー11項目「すべてを選択」する。

選択項目に対しショートカットメニューでタグを付ける。

要するに「フォルダ内にフォルダ(またはファイル)を11個以上作成して、最後に作成したフォルダをロックしたあと、すべてのフォルダを選択してタグを追加する」のだ。 すると……

11項目のタグを変更しようとしています。

許可するには管理者の名前とパスワードを入力してください。

これは通常ユーザで実行した場合のメッセージである。管理者で実行している場合は、

許可するにはパスワードを入力してください。

のように、パスワード入力だけ要求される。

とりあえず、いわれるがまま入力すると、

必要なアクセス権がないため、操作は完了できません。

おいおい、できないなら、最初から聞くなよ。 ユーザに無駄な操作をさせるな。 そもそも自分が作成したフルアクセス可能なファイルを操作するのにパスワードが必要とか言ってくるのがおかしいだろ。

「タグ」機能が搭載されたのはOS X Mavericksから。 このけったいなダイアログボックスが表示されるようになったのはOS X Yosemiteからである。

だいいち、ダイアログボックスが表示されるされない以前に、選択項目の中にロックされたものが含まれているとタグを操作するメニューが無効になる。一貫して無効になるなら、百歩譲って諦めもつくのだが、ここで試したように無効にならないこともある。そして無効にならない場合は、珍奇なダイアログボックスが表示される。

マヌケなUI/いただけないUXである。実に雑な作りのソフトウェアだ。

OS X Mauntain Lion 10.8.5 以前は「タグ」に相当する機能は「ラベル」と呼ばれていた。ラベル時代のFinderでは、選択内容にロックされている項目が含まれていてもメニュー「ラベル」は常に有効で使用可能である。ロックされている項目には変更が適用されないだけのことで、その他の項目については黙ってラベルを変更してくれる。

これがユーザが期待する、当たり前のUI/UXだと思わんかな、アップルちゃん。 いいかげん、まともに動くようにしてくれよ。

他にも、Finderのファイルメニュー>「タグの丸印」あるいはアクションメニューの「タグの丸印」を使って、複数のファイルから同時にタグを削除しようとしたとき、11項目以上選択していると「タグ“〜”を削除」が機能しない。 というバグがあったのだが、こっちは、macOS Sierraで修正されている。

関連記事: 「許可するには管理者の名前とパスワードを入力してください

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