MacDownは、macOS向けのMarkdownエディタである。
私はこのアプリを長年愛用している。その前は、Markdownエディタとして、MacDownの先祖ともいえるMouを使っていた(このアプリは今は もう ない、Mouだけに)。
このMacDownは、かれこれ5年ほど前に v0.7.3 がリリースされたっきり、アップデートされなくなってしまった古いアプリである。 当然、Apple シリコン搭載Macにはネイティブ対応していないがRosetta 2のおかげで最新のMac上でもまだ動作する。
動くには動くのだが、困ったことにmacOS Ventura 13のころから(?)ファイルメニュー「最近使った項目を開く」のサブメニューに表示されるはずの最近使った項目が空白になってしまう現象が発生するようになった。
ちょっと不便なのを我慢すれば使える(てか、今まで使ってたん)だけど…… う〜ん、やっぱり不細工だ。
MacDownはオープンソースのソフトウェアであり、GitHubでソースコードが公開されている。ひょっとして自力で直せるのでは? と、以前から思ってはいたのでチャレンジしてみた。
オープンソースとはいえ、そこは、すでに開発者が興味を失って何年も放置されているソフトウェア=遺棄プロジェクトである。リポジトリをクローンしてビルドしようとしたが、一筋縄ではいかない。
大体、macOS用アプリの構築にRubyだのBundlerだのを使っている時点で面倒なのは予測できたが、案の定、依存性地獄が待ち受けていた。
最新のApple シリコン搭載MacとmacOS Sequoia 15.5 + Xcode 16.3 + Homebrew + rbenv 環境では、まったく歯がたたない。 それならば、と、Intel プロセッサ搭載Macで、いくつかのパターンの古い開発環境を再現してみたが、ことごとく失敗する。
そうだAIに聞いてみよう。ネットの評判では、 プログラマーが全員失業するくらい賢い らしい!
複数のAIを使って、状況を詳しく説明しながらエラーを潰していく作業を延々と続けたが、どいつもこいつもデタラメな手順や無意味な修正法ばかり答えるので、三日たっても現在使っているバージョンと同じ v0.7.3 のアプリを生成できない。エラー修正ループは続くよどこまでも。
AIがコードの自動生成やバグの検出、リファクタリングなどをサポートすることで、開発者の生産性を向上させます。みたいな謳い文句は冗談だったのか?
おまけに、
macOSで活発に開発されており、より新しいシステムに対応した他のMarkdownエディタへの移行を検討するのが最も現実的な解決策となる可能性があります。
とか、身も蓋もない御託宣をくださる。
こちとら、さまざまなMarkdownエディタを試し、比較検討して、しっくりくるものがないから、古いアプリを使い続けてるんだよ。
シンプルで、ひとつのウインドウにエディタとプレビューの2ペイン構成になっていて、MacのUIデザインに馴染んでいるものが欲しいのだ。流行りのObsidianみたいな多機能で大袈裟なアプリはいらない。
AIといっても、無料のサービスしか使わなかったのでダメだったんだろう。おそらく。 有料のコーディング支援専用AIなら、この程度の問題、10秒で解決してくれるに違いない。 札束で頬を張るのは貧乏プログラマーには無理なので自力(人間の力)でやることにした。
なんとか修正版のビルドに成功。人間がやったほうが早いじゃん。な〜にが、AIで業務の効率化だよ(まあ、確かに役に立つところはあるけどね)。
なにやら、まだ挙動がちょっとおかしい気はするが「最近使った項目」が全く表示されないよりはましになった。
この修正版MacDownが完全に動かなくなるその日までに、乗り換え先となる、よいMarkdownエディタが出てくるといいのだが。
まてよ、ネットの噂によれば、「プログラミング経験なんかなくても、どんなアプリを作りたいかをAIに説明するだけで簡単にアプリが作れちゃう時代」らしいから、ひょっとして、今回の場合「macOS標準のライブラリとフレームワークだけを使って、MacDownと同じ見た目と機能を持つアプリをSwiftで作成して」とAIに頼めばよいだけだったか。
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