何年か前からG様に貸し出していたハードディスクがお役御免となり、我が家に帰ってきた。
G様の話では、特に(情報漏洩が問題になるような)重要なデータは記録されていないとのことだったが、念のためディスクの内容を完全消去することにした。
Macのディスクユーティリティには、そのための便利な機能がある。 ディスクをフォーマットする際の「確実な消去」オプションだ。
サイドバーから消去したいデバイスを選択して、ツールバーの「消去」アイコンをクリックすると表示されるダイアログボックスで「セキュリティオプション…」をクリックすれば消去方法を変更できる。
では早速、macOS Sequoia 15.5 に標準で付属するディスクユーティリティを起動して、確実な消去を実行してみよう。と、思ったら……
あれ?
「セキュリティオプション…」ボタンがない。
macOS Sonoma 14.7.6 以前のバージョンに付属するディスクユーティリティで同じハードディスクを消去しようとした場合には「セキュリティオプション…」ボタンはちゃんと表示される。
ディスクユーティリティユーザガイドには次のように書かれている。
確実な消去オプションは、一部のタイプのストレージデバイスにのみ使用できます。「セキュリティオプション」ボタンがクリックできる状態ではない場合は、そのストレージデバイス上では確実な消去を実行できません。
さらに、次のような注意書きもある。
注記: ソリッドステートドライブ(SSD)の場合、ディスクユーティリティで確実な消去のオプションを利用できません。安全性を高めるには、SSDドライブを使い始めるときにFileVault暗号化を有効にすることを検討してください。
※これらユーザガイドの記載内容はSequoia 15でも、(Mojave 10.14以降)Sonoma 14以前でも同じである。
フラッシュメモリを使ったストレージデバイスで確実な消去を行うと寿命が縮んでしまうので、利用できなくしてあるのは妥当だ。
しかし、ハードディスクに使えないのはおかしいだろう。Sonomaまでは使えてたんだし。
Sequoia上で、手元にある様々な種類のデバイスの消去を試してみたが、どれ一つとして「セキュリティオプション…」ボタンが表示されるものはなかった。
アップルのサポートに電話して、「Sequoiaで確実な消去が実行できるデバイスって一体どんなデバイスなの? そんなデバイスこの世に存在するの? 一部のタイプのストレージデバイスの具体例は?」と聞いてみたが、資料がないので不明だそうだ。
なんとも曖昧で雑な作りのソフトウェアだな。これがアップルの考える最高のUI/UXなの?
おそらく、世界中で私以外誰も使っていない機能なので、この「セキュリティオプション…」ボタン(確実な消去機能)は削られたのだろう。それなら仕方ない。でも、動作を変更したなら、したで、説明書もちゃんと書き換えたらどうなんだろう。でなきゃ、単なるバグだ。
関連記事: 「El Capitanのディスクユーティリティがひどい」 「ディスクユーティリティ 操作が失敗しました:その操作は許可されていません」
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