HP Chromebook x360 14 を買ってみた。Chromebookとしては比較的高価な製品。
この機種を選んだのはAndroid StudioのWebページで推奨Chrome OSデバイスとしてリストアップされている機種の中でもっとも入手しやすそうだったから。 Android Studio 3.5から、Chrome OSが公式にサポートされたので試してみたくなったのだ。
前々からChromebookに興味はあったのだが、できることが限られる割にはWindowsノートPCとさして値段が変わらないので「それだったらWindows機を買うよなあ」ということで、これまでChromebook購入に踏み切れないでいた。
最近ではChromebook上で、AndroidアプリやUNIX (Linux) ツールも動作するようになっているのでソフトウェア開発マシンとしても使えそう。なら、買ってみようかと、今回の購入に至る。 知り合いのIT社長がChromebookを使っているのを見て、それに釣られたのも一因だ(そこそこ仕事にもつかえそうな印象だった)。
それでは、ファーストインプレッションってやつを。
ディスプレイ:ディスプレイはかなりツルテカである。MacBook Proに比べて、かなり映り込みが激しい。私はそもそも、この光沢液晶(グレア)というやつが嫌いだ。写真やビデオがきれいに表示されるので一般消費者にはウケがいいのだろう、いまどき、非光沢液晶(ノングレア)のほうが珍しい。HPのビジネスPCには非光沢ディスプレイの機種もあるのだが、この機種はノングレアは選べない。 ディスプレイ画素構成はフルHD1920×1080ピクセルで、MacBook ProのRetinaディスプレイに比べると精細さに欠けるが充分実用的。販売価格がずいぶん違う(かなり安い)ので比べるのは酷かもしれん。
ヒンジ:ディスプレイを360°ひっくり返してタブレットのように使えるところもこの製品のセールスポイントらしいが、デカくて重いので、タブレットモードの出番はあまりなさそう。
キーボード:フルピッチで普通にタイプできる。配列はChromebook独特な部分があるが、割り当ては設定で変更できるのであまり問題ない。キータッチは、ひょっとするとMacBookで大不評のバタフライ機構キーボードよりマシかもしれない。私はそもそも、このアイソレーションキーボードというやつが嫌いだ。なんにせよ、どの道ペコペコで評価に値しない。
英語配列キーボードが選べるのはよい。アップル製品はかなり大昔から英語配列 (US ASCII) と日本語配列 (JIS) が選べるが、日本国内で販売しているWindows PCは英語配列が用意されていないことが多い。 ネット上のChromebookのレビューの中には「キーボード配列が英語なのが難点」のようにデメリットとして書かれているものがあるが、ロートルプログラマーは英語配列のほうが嬉しい。
キーボードはバックライト付き。残念ながら、暗いところではPCを使わない変な人向けにキーボードバックライトを常に消灯(常時オフ)する設定はできないようだ。
バッテリー:20%まで消耗した状態から2時間ほどで充電が完了する(使用しながら充電)。バッテリー駆動時間はカタログスペック(13.5時間)を充分満たしている。
crosh> battery_firmware info Battery info: OEM name: 333-2C- Model number: SY03060 Chemistry : LION Serial number: 08C5 Design capacity: 5275 mAh Last full charge: 5072 mAh Design output voltage 11550 mV Cycle count 2 Present voltage 12900 mV Present current 340 mA Remaining capacity 5038 mAh Flags 0x06 BATT_PRESENT DISCHARGING
残念ながら、ノートパソコンを持ち運ぶことなく常にAC電源に接続したまま使う変な人向けにバッテリーの劣化を抑えるための80%充電モードや50%充電モードの設定はできないようだ。
メモリー:8GBのメモリー搭載量はChromebookでは多いほう。
crosh> meminfo MemTotal: 8058208 kB …
8GB = 8388608KB なので、ちと少なく見える。システムメモリの一部が Intel UHD Graphics 620 の Dynamic video memory technology (DVMT) によりビデオメモリに割り当てられるためだろう。
ストレージ:64GB eMMCを搭載している。ストレージテストで表示されるブロック数は 61071359 である(1KBブロックと思われる)。
crosh> storage_test_2 Checking blocks 0 to 61071359
10進数ベースで64GBであれば 62500000 ブロックのはずだが、フラッシュストレージにありがちな天使の分け前が引かれているのだろう。「設定」>「ストレージ管理」の表示ではユーザーが使用できる領域は49GBほど。
これまでMacやWindowsを使ってきた感覚からすると少ないように思えるが、Chromebook的には問題ないらしい。Googleのサービスをメインに使う分には確かにそれでいいだろう(クラウド上のデータをそのまま編集してローカルにデータを置かない前提。Chromebook本来の使い方)。ソフトウェア開発に使うにはどうなんだろ。使い込んでみないとわからん。
USBポート:USB Type-Cポート2つと、USB Standard-Aポート1つを備える。マウス、CD/DVDドライブ、フラッシュドライブ、ハードディスク(なんとMac OS拡張フォーマット HFS+ も読める)などの周辺機器を接続できる。
サポート:HPウェブサイトの「サポート」>「製品から探す」を使って、シリアル番号と製品番号でモデルを特定してサポート情報を検索しても、なぜか出てくるのはWindows云々の文書ばかり(かろうじてユーザーガイドPDFはChromebookのものだった)。「使い方サポート」に電話すると、Chromebookについてはお答えできる情報がないので「カスタマー・ケア・センター」に電話してください、と言われた。カスタマー・ケア・センターもChromebookには、まだ慣れていない様子。
Chromebookの寿命:Chrome OSは自動的に最新の状態に保たれる。しかし、アップデートは永遠には続かない。Chromeデバイスには自動更新ポリシーによる「自動更新の有効期限(AUE)」が決められている。 Googleのサポート情報 https://support.google.com/chrome/a/answer/6220366?hl=ja によると、この機種の寿命は2024年6月に尽きるらしい。
まあ、なかなか楽しそうなデバイスなので寿命が尽きるまでChromebook探求の旅を続けることとしよう。
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