久しぶりにUTMでMac OS 9用のVM(仮想マシン)を新規作成しようとしたところ、怪現象に遭遇した。UTMのバージョンは4.1.5。
Raw Image の仮想ドライブを作成したかったのだが、なぜか「生イメージ」のチェックボックスにチェックを付けることができない。クリックしてもチェックマークが表示されないのだ。
UTM 4のバグ? なのか?
仕方ないのでデフォルトで作成される仮想ディスクイメージはそのままにして、アシスタントに頼らずに自力でVMをセットアップすることにした。
手作業で生イメージを作成し、UTM VMの設定ファイル(プロパティリスト)を書き換えてそのイメージを指定してやればよい。手順をメモしておく。
UTMアプリケーションを終了する。
UTM VMのパッケージ(.utm バンドル)内のDataディレクトリ内に、ddコマンドを使って生イメージを作成する。 例えば「disk-0.raw」というファイル名で4 GBのイメージを作成する場合、ターミナルから次のコマンドラインを実行する。
dd if=/dev/zero of=disk-0.raw bs=1024k count=4096
UTM VMのパッケージ内の「config.plist」を開いて、
<key>ImageName</key>
<string>FE60B23D-AA4D-417D-A8F4-950560DFF361.qcow2</string>
<key>ImageType</key>
<string>Disk</string>
のような、QEMU標準仮想ディスクイメージ形式 qcow2 のファイルが指定されている部分を探し出し、
<key>ImageName</key>
<string>disk-0.raw</string>
<key>ImageType</key>
<string>Disk</string>
のように手作業で作成した生イメージの名前に置き換える。 不要になったqcow2ファイルは削除する。
UTMアプリケーションを起動して、VMの仮想ドライブで使われているファイルの名前が生イメージ(この例では「disk-0.raw」)になっていることを確認する。
『SheepShaver and UTM』読者のMさんから、この手順でインストールしようとしたが、次のようなメッセージが表示されたまま「UTM VM(仮想マシン)が停止して、先に進まない」というお便りをいただいた。
No valid state has been set by load or init-program
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この現象は、UTMがうまく処理できないディスクイメージを指定したときに起きる。 (どのディスクからもシステムソフトウェアを検出できないとき。)
Mac OS 9インストール用の仮想CD-ROMイメージを作成する手順を見直してみてほしい。 OS X El Capitan 10.11 以降に付属するディスクユーティリティはポンコツなので、まともなCD-ROMイメージファイルを作成するのは面倒。
また、Mac OS 9を新規インストールするための仮想ハードディスクとして、macOSのディスクユーティリティで作成/フォーマットしたディスクイメージファイルを使うとトラブルの元になる。 ddコマンドを使ってイメージを作成し、Mac OS 9のドライブ設定で初期化すること。
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