OS X Yosemite 10.10 以降のFinderには、複数のファイルの名前を一括で変更できる機能が搭載されている。
操作は簡単、Finder上で、名前を変更したい項目を選択しておいて、その上で、右ボタン(副ボタン)をクリックして表示されるメニューから「名称変更…」を選択すると、どのように変更したいのかを設定するウインドウが表示されるので条件を入力するだけだ。
例えば、たくさんのファイルの拡張子を「.jpeg」から「.jpg」へと、まとめて変換するような用途に、とても便利である。このリネーム機能が搭載される前はターミナルからコマンドを打ち込んで処理していた。
さて、今日も今日とて macOS Monterey 12.6.3 上で、この便利機能を使って拡張子を置き換えようとしたところ……
“.”(ドット)で始まる名前はシステムだけが使用できます。別の名前を指定してください。
みたいな、珍奇な警告が表示されて動作しない。
ハァ? ドットで始まる名前なんぞ使うとらんぞ、なに言ってんだ。こちとら拡張子を、まとめて変更したいだけだよ。
詳しく調べてみたところ、どうやら、選択したFinder項目の中に iCloud Drive との同期が完了していないものが含まれていると、この警告が表示されるようだ。
ターミナルを開いてみるとわかるのだが、iCloud Driveとの同期が完了していない(ローカルにファイルがダウンロードされていない)状態では、Finder上で例えば "ABC.jpeg" に見えるファイルの、ファイルシステム上でのファイル名は ".ABC.jpeg.icloud" になっているのだ。 iCloud Driveと同期するとローカルファイルシステム上の名称も "ABC.jpeg" となる。
意味不明な警告が言いたいのは、同期がとれていないプレースホルダーのファイル名がドットから始まるので、それが選択項目の中に含まれているのが気に入らないということらしい。 そんなもん、一般ピープルが分かるわけないやろ。
こういった仕掛けをユーザーに意識させることなく魔法のようにうまいことやってくれるのがアップルのソフトウェアのセールスポイントじゃなかったんかね!?
しかも、まとめてではなく、一つ一つファイルを選択してファイルの拡張子を変更する分には、こんなトンチンカンな警告は出ないのだ。同期していなくても(ファイルシステム上の名称がドットで始まるプレースホルダーのままでも)一個ずつなら名称変更できる。
“It just works”
なんという一貫性のなさ。もちっと、ちゃんとソフトウェアを作り込んでからリリースしようよアップルちゃん。
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