2023-10-08

いまどきMacはHDD起動で使い物になるのか

(Fusion Driveを除く)ハードディスク内蔵モデルのMacは2019年あたりを最後に消滅し、2023年現在、すべてのMacの内蔵ストレージはフラッシュメモリ (SSD) のみになっている。

いまどきのMacをハードディスクドライブ (HDD) から起動するとどうなるだろうか。 macOS Sonoma 14.0 の起動にかかる時間を調べてみよう。

まず、内蔵SSDのデータ転送能力をみてみると、こんな感じ。

Sequential Read 1MiB (QD=   8) :   3412.44 MB/s [   3254.4 IOPS]
Sequential Write 1MiB (QD=   8) :   2619.14 MB/s [   2497.8 IOPS]

内蔵SSDからMacを起動してログイン完了するまでにかかる時間は約19秒。 ※パスワード入力時間は除く、以降も同様。

かなり古いハードディスクドライブ(USB 3.0接続)のデータ転送能力は、こんな感じ。

Sequential Read 1MiB (QD=   8) :    108.34 MB/s [    103.3 IOPS]
Sequential Write 1MiB (QD=   8) :    100.46 MB/s [     95.8 IOPS]

この外付けHDDからMacを起動してログイン完了するまでにかかる時間は約3分56秒。FileVaultで起動ディスクを暗号化した状態だと約4分20秒。 圧倒的な遅さだ。

システム起動後のアプリの起動も、Webページを開くのも、日本語入力も、牧歌的情緒あふれるのんびりした動作でとってもロハス(死語)でスローライフ。

そうそう、起動だけではなく、システム終了にも時間がかかる。 SSDだと気付きにくいが、Macはディスプレイ表示が暗転してもすぐに電源がオフになるわけではない。外付けハードディスクドライブだとアクセスランプが点滅し続けているのが分かるだろう。 この外付けHDDでは「システム終了」ボタンをクリックしてから、完全に停止するまで、約25秒かかる。

HDD起動でも用途によっては使えないこともないが、高度産業文明(高速なSSD)に毒された身には、とってもつらい。

おまけにmacOSの起動シーケンスと相性が悪いのか、再起動時にリンゴループに陥ったり、「問題が発生したためコンピュータをシステム終了しました」というトラブルの発生するUSB HDDがまま見られる。

とてもじゃないが、お勧めできるような代物ではない。

と言いながら目の前に、かれこれ2年くらい外付けHDDから起動して使っているAppleシリコン搭載Macがある。 再起動しなければなければどうということはない…… わきゃない。

関連記事: 「問題が発生したためコンピュータをシステム終了しました

0 件のコメント:

コメントを投稿