macOS Sonoma 14.0のシステム設定「マウス」には、「ナチュラルなスクロール」という設定項目がある。
いったい何がナチュラルなのか疑問に思ったことはないだろうか。
もともと、この項目、Mac OS X Lion 10.7.5までは「スクロールまたは移動するときに、コンテンツを指を動かした方向に移動させる」というチェックボックスだった。 あまりにも長く説明的すぎる名称に嫌気が差したのかOS X Mountain Lion 10.8から「スクロールの方向: ナチュラル」に改められ、さらにmacOS Ventura 13.0で「ナチュラルなスクロール」へと生まれ変わった。
システム設定「トラックパッド」にも同様の設定項目がある。
どうやら、ここでいう「ナチュラル」とは、アップル純正の周辺機器である Magic Mouse や、トラックパッドを使っている人にとって自然な感覚という意味らしい。
Magic Mouseはマウスの上にちっちゃいトラックパッドを載っけたような構造なので、たしかに、指を動かす方向にコンテンツが移動したほうが自然だ。
しかし、純正品ではない昔ながらのスクロールホイールがついたマウスを使っている人にとっては、ちっともナチュラルじゃない。
ホイール付きマウスを使っている老人のために、この設定項目があるわけだ。その配慮はうれしい。されど……
困ったことに、 マウス側の設定を変えると、トラックパッドの設定まで変わってしまう のだ。逆もまた然り。
1台のMacで、ホイール付きマウスとトラックパッドを使い分けている(併用している)人は、
- マウスホイールにとって自然な動きに設定すれば、トラックパッド側が不自然
- トラックパッドにとって自然な動きに設定すれば、マウスホイール側が不自然
という、あちらを立てればこちらが立たずな状況になってしまう。
キーボード設定アシスタントみたいな、ポインティングデバイス設定アシスタント(仮称)アプリケーションがあって、デバイス個別に設定が変えられればベストなんだけど。
そこまで細かく設定できないにしても、せめてマウスとトラックパッドでは、それぞれ別々のスクロール方向が設定できるようにしてくれよ。
以前からアップルには要望しているが、一向に改善されない。 まあ、世界中で困っているのは私だけなのだろう。
0 件のコメント:
コメントを投稿